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昔「ホテル食パン」というのがよくリテールに並んでいた。
リテールで売る「ホテル食パン」
そしてそれらは一様に、プルマンやハードトーストよりも高値なのである。
そしてそれらは一様に、「生クリームやバターをたっぷり使いました」と書いてある。
はん! もう今は無いだろうな。もういい加減気づいているだろうな、その愚かさに。
「ホテル食パン」あはっ、そこホテルじゃないやん。
カラオケで売っている、三大テノールパヴァロッティCDか!
そして自分の普通のパンより高値。
「生クリームパン」でも「バターたっぷりパン」でもなく「ホテル食パン」
けっ。
なんて従順で温厚で腰の低いお人好しで闘争心に欠けるパン屋なんだ。
ホテルのブラーンジェリーが、そして
ホテル出身のブーランジェリーが「在る特殊な意味・ある種の物言い」を込め
リテールベーカリーを呼ぶときの言い方を知らない訳ではなかろう。
「まちばのパン屋」
そこには何故か優越感が在り、少し小馬鹿にした雰囲気を滲ませる。
「あぁ、まぁ、まちばのパン屋ではそういうパンも売れるよね」
けっ。
そんな言い方されてなぜ自分の処の、ちょっとリッチな贅沢なパンを
わざわざ「ホテル食パン」だなどと名付けられるのか。あたしには分からない。
自分の価値を人に譲りわたすのか。
ホテルのパン屋には焼けないパンを俺らは死ぬほど焼いている、
地元と密着して生きる事の幸せさをお前らは知らないだろう!
その位啖呵を切っても良いところを、長年お人好しのパン屋達は
「ホテル食パン」と名付けて売ってきた。
今、ホテルのパンが美味いか?圧倒的にリテールより美味いか?
なぁ美味いか?美味いか?毎日ホテルにパン買いに行ってるか?
よほどパン好きでも友達の結婚式に出た帰りか、
男と泊まってチェックアウト前に「うぁーちょっと待っててー、パン買いたーい!」
と買うぐらいだろう。
臨んで目指して日々ホテルにパン買いに行くか?
昔、パンが日本に入ってきた頃ならそりゃー財力のあるホテルのベーカリーが
先端を行っただろう、技術も材料も志も正統派パンという意味でも圧倒的だっただろう。
リテールがアンパンやコロネばっかり作っていたときにも、正しいバゲットや
テーブルロールをやいていただろう。
でも現在、ホテルのパンと、進み続ける歩み続けるリテールのパンと差があるか?
どっちが日々更新し革新的か、新陳代謝が激しく臨機応変か、
勉強熱心で地元民を愛しているか。
生鮮食品、日配品という意味でパンを消費者に届け続けているか?
というわけで、
ホテルベーカリーに何の恨みもないし先駆者としてとっても尊敬するけれど、
いまだに「まちばのパン屋」という物言いをする古いパン職人と、
「ホテル食パン」を今も売っているリテールがあるとしたら、それらを軽蔑する。
あたしが成敗しに行く。(笑 うそ、しない。薄ら笑いを浮かべておこう)
そんな「ホテル食パン」を過去に並べていた(爆笑)ここんちの食パンは、
まごうことなく「ここんちの食パン」でした。 うまいうまい。偉い偉い。
そして私は普通の包丁でこんな風に食パンを美しくスライス出来る女、
偉い偉い。 5ミリでもお任せ。
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